異人たちとの夏

東京モーターサイクルショー見学のため、金曜日に東京に泊まった。
ホテルはもちろん浅草だ。
東京で僕が落ち着ける数少ない場所の一つである。

早めの夕飯をとることにした。
金曜日の夜は常連さんで混みそうだと思ったので、一人で行っても邪魔にならないようにそうした。
伺ったのは観音裏の釜飯「田毎」さん。
僕の大好きな福山理子さんに教わったお店だ。

釜飯は何種類かあるが、無難なところで五目をお願いした。
待っている間に焼き鳥ともつをタレで焼いてもらった。
お新香も注文した。
お新香は漬け具合が絶妙で、ビールにも良く合う。
ビールはサッポロを選んだ。
外はまだ明るく、ちょっと良い気分に浸りながら半時間ほど待つと釜飯が出てきた。

ああ、これは美味しい。
釜の底からおこげが顔を出す。
香ばしさが堪らない。

ふと両親のことが頭に浮かんだ。
もう二人ともこの世にいないが、一度こういうお店に連れてきてあげたかった。
きっと喜んでくれただろう。
両親の笑顔が見えたような気がした。
お葬式でも泣かなかったのに、釜飯を食べながら、何だか泣けて泣けて仕方がなかった。

こんなことを思ったのは、たぶん浅草の町を歩いていて、昔見た映画のことを思い出したからに違いない。


「異人たちとの夏」
(1988年製作 大林宣彦監督作品)

テレビの脚本家である主人公(風間杜夫)は、夏の初めのある日、生まれ故郷の浅草に立ち寄る。
何気なく入った寄席で目にしたのは、自分が子供の頃に事故死した父(片岡鶴太郎)の姿だった。
「出るか」。父に声をかけられ、共にかつての家に向かう。
そこには父と共に死んだはずの母(秋吉久美子)が若い頃の姿で普段通りの生活をしていた。
最初は状況が理解できずに戸惑っていた主人公だったが、3人で食事をするうちにすっかり昔のようにくつろいでいる自分を発見する。
その後も状況が飲み込めないまま、懐かしさに駆られて両親の家に通うようになっていた。
しかし、周囲の目には日ごとにやつれていく様子が明らかだった。
恋人(名取裕子)に問い詰められ、真実を話す主人公。
恋人の懇願により、両親に会うのを止める決心をする。
最後の食事として選んだのは、「今半別館」のすき焼きだった。
しかし、すき焼きを食べる間もなく、両親はあの世へと帰っていった。

両親との二度目の別れとなるシーンは切ない。
主人公が最後に言った言葉は「ありがとう」。
僕も母を送り、父を送った。
その時に言った言葉は、やはり「ありがとう」だった。
どれほど考えても、親に言える言葉といえば、これしかないだろう。

片岡鶴太郎が一世一代の名演を見せてくれる。
大好きな大林宣彦監督の作品の中でも特にお気に入りの一本だ。


時代と共に町は急速に姿を変えていく。
でも、浅草にはもう少しゆっくり変わっていってもらいたい。
「田毎」さんを出て、少し歩きながらそんなことを考えていた。






ちょっと充電します

お通夜・葬式・お通夜・葬式・仕事・仕事。
さすがに疲れました。
ゲージがほぼゼロ状態。
少し充電のためブログお休みさせていただきます。

しかし、お葬式はいろんなことがあるよね。
書きたいけど、不謹慎と思われるので自粛いたします。
映画が一本できるのも不思議ではない。

では、週末の東京モーターサイクルショーでお会いいたしましょう。



お葬式

父が亡くなったので、葬儀に参列してきた。
元々父とは微妙な距離感があった。
母親とは何でも話せて、親密な関係を築いていたが、父との関係性は希薄だった。
幼い頃、キャッチボールをしてくれた記憶はないし、自転車の乗り方も教えてもらわなかった。
7年前に母が亡くなってからは、たまに実家に帰っても、お互い何をしゃべって良いのか分からず、気まずい雰囲気が漂うこともしばしばだった。
遠く離れて暮らしていることもあり、次第に顔を合わせる機会も減っていった。

だから、親孝行と言えることは何一つできなかった。
ただひとつ、順番を間違えずに両親を送ることができたのが孝行と言えるのかもしれない。
物事には順番がある。
それが叶わずに悲しくつらい思いをして居る方々が大勢居る。
それを思えば、自分たちは幸せだったと言えるのだろう。

自分は親の葬式でも泣かない冷たい男だが、安らかに眠る父の顔を見ると、さすがに万感胸に迫るものがあった。
僕は何もしてやれなかったが、父は自分にどれだけのことをしてくれたのだろうか。
真面目に、ひたすら真面目に働いて、貧乏な中、自分を大学まで行かせてくれた。
ありがとう。
そう思ったら涙が一筋こぼれた。

ことわざの通りだ。

「中年の目にも涙」

とっさにそんな不謹慎な言葉が頭に浮かんだ自分は世界一の親不孝者でした。



ユングの唱えたシンクロニシティは確かに存在する。

僕が実家にいる間に義父が亡くなった。
家が割と近い距離にあったため、妻の実家には週一くらいのペースでお邪魔していた。
妻の家族は、脳内の9割が不謹慎な自分にも常に優しくしてくれた。
本当に感謝である。
週末はまたお葬式だ。
しっかり送ってあげたいと思う。


園次

さっきEテレで「モテ髪について男子が考えているホント・ウソ」クイズ(なんか、そんな感じだった)を見た。

Q:男子はウェーブヘアよりもストレートが好きである。ホントかウソか。

ホントだと回答してる子が多かったな。

A:ウソ
  ウェーブが好き:53%
  ストレートが好き:47%

いや、それをウソと言って良いのか?
「ホントではないが、あながちウソとも言い切れない」くらいの僅差じゃないのか。
まあ、どちらでも良いが。

あと、結んだ下の毛がだぶつかないポニーテールの結び方を見た。
ああ、これは参考になるわ。
って、なるか!
ていうか、オッサンがなんでティーン向けの番組見てんだよ!

と、ノリツッコミをしたところで今日の本題である。

「和根洋彩 園次(そのじ)」さんでランチを食べてきた。
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ちょっと小洒落た居酒屋さんなんだけど、以前はみそのグループの経営だった。
それが、店名と内装をそのまま引き継いで、今は別の会社が経営している。
そこでランチがいただけるわけだ。

そんなお店は数多あるが、このお店はランチに限って、障害者雇用施設とコラボして、障害者の方がメインで食事を提供しているのだ。
今日は一人で行ったので、カウンターに案内された。(まあ、いつも一人なんだけどね。)
スタッフ全員が障害を持った方ではなくて、健常者(こういう区別は好きではないが)のスタッフさんが仕切っている。
カウンターに座っていると、厨房で飛び交う声が直に聞こえてくる。
注文したのは「豚角煮のどんぶりランチ」。
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味噌汁、小鉢等が付いて800円である。
とても美味しくいただきました。
味は良いよ。値段も悪くない。味噌汁・小鉢の付いた海鮮丼500円なんてリーズナブルなメニューもあるし。
ただ、他所の店と渡り合って行くにはもう少し慣れが必要だと感じた。
注文してから料理が運ばれるまで時間がかかるし、接客のドタバタ感もある。
ランチを食べに来る客は障害者が働いてるからって大目に見てくれないからね。
同じ土俵で闘って利益を出していかなければならない。
僕は何とか競争に勝って欲しいと思っている。
ここで継続した雇用ができて、少しでも自立につながって行ければ、他にもこういうお店が増えていくかもしれないからね。
だから、徹底的に慣れて、スムーズにお店を回せるようになることだね。
味は良いんだから。

僕はまた行きたいと思う。
時間と心に余裕がない人は「すき家」に行くことをオススメする。


和根洋菜 園次
〒430-0944
静岡県浜松市中区田町323-1
新浜松駅より徒歩8分。有楽街を入ってビオラ田町方面へ。ラーメンみやひろの向かい側。
TEL:053-456-3111
ランチタイム 11:30~14:00
ディナータイム 17:00~24:00

御前崎の「厨(くりや)」さん

自分は会社では「マック好き」なオッサンだと思われている。
アップルのコンピュータのことではなく、ハンバーガーの方だ。
出張が多い仕事なのだが、宿泊した翌朝は必ずと言っていいほど「昨日マック行った?」と聞かれる。
何故そうなったのかは分からないが、恐らく自分でそう思われることをしゃべったのだろう。
自分のうかつさと記憶力のなさにあきれてしまう。
まあ、当たらずとも遠からずなんだけどね。

しかし、毎日マックで食べているわけではない。
今日はお天気が良かったので、弐号機(M696)で御前崎に行った。
目指したのはほぼ岬の先端にある「厨(くりや)」さん。
ブログにコメントをくださった、ごうさんから教えていただいた。
場所は知っていたのだが、いつも車がたくさん止まっていたので今まで遠慮していたのだ。
今日は早めに家を出て、寄り道をせずお店に向かった。

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外観は特になんてことのない和食のお店という感じである。

目の前はずっと先まで太平洋。
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潮の匂いが漂ってくる。
ここにずっとバイクを置いてたら、あっという間に錆びそうな勢いだ。

玄関を入ると上がりかまちがあって、靴を脱ぐ。
ここできれいな女将さんが笑顔で迎えてくれた。
この瞬間、良いお店だということ感じる。

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中に入ると和の趣とモダンな雰囲気が融合したとても素敵な空間が広がっていた。
店内にはジャズが低く流れている。良い趣味だ。

自分はひとりでお邪魔したので、普通ならカウンターに案内されると思うのだが、どこに座っても良いというお言葉に甘えて窓際の席に座らせていただいた。
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海を眺めながら新鮮な海の幸を味わえるなんて最高のぜいたく!

注文したのは「海鮮丼」。
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味噌汁や茶碗蒸し、小鉢などが付いて1550円也。
丼のご飯は酢飯で、魚介との相性はバッチリ。
美味しすぎて瞬く間に完食。

厨さんは味が良いのもさることながら、接客が良くてとても落ち着いて食事が楽しめた。
女将さんの笑顔に送り出されて、良い気分でお店を後にした。


本日の弐号機。
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この子も何だかご機嫌に見える。


磯料理 厨 (くりや)
住所 静岡県御前崎市御前崎1140-22
電話 0548-63-1439
営業 昼11:30~14:00,夜17:00~23:00

地図はこちら。
↓     ↓     ↓     ↓
https://www.google.co.jp/maps/place/%E7%A3%AF%E6%96%99%E7%90%86%E5%8E%A8/@34.6011629,138.2335755,17z/data=!3m1!4b1!4m2!3m1!1s0x601a65f3445c14bf:0xa4ab67d2825e469b?hl=ja

河津桜

河津桜といえば伊豆が有名だが、近場の浜岡砂丘にも桜並木があるらしく、弐号機(M696)と共に一足早い花見に出かけてきた。

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お昼前に到着したが、車で混み合っており、駐車待ちの渋滞ができていたほどだ。
僕はバイクだったので、誘導員の方が駐車場に案内してくれた。
こういうときはバイクで良かったと思うね。
駐車場関係でバイクが優遇されていると思うことは他にはほとんど記憶にないが。

砂丘のすぐ近くに桜並木がある。
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河津桜は満開で、そろそろ落花の時期に入りつつあるようだ。
それでも、花はまだ可憐な姿を見せてくれていた。
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桜並木に平行して菜の花が咲いており、黄色と桜色のコントラストが眼に鮮やかだった。
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はらはらと散るソメイヨシノも良いが、色が濃い河津桜も趣がある。
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満開の桜が青空に良く映える。

せっかくなので、浜岡砂丘も見て帰ることにした。
砂丘全体の姿を見るには砂丘そのものを少し登らねばならない。
砂で足が取られる中、意外と楽に登れたような気がする。
結構元気な中年ではないか。
なぜ会社の階段ではあれほど息が上がるのか理解できない。

砂丘に到着。
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砂丘といってもあちこちに毛が、いや、草が生えているし、何となく壮大な風景を想像していたので肩すかしを食らったような気分だった。
画面左手奥に浜岡原発が見える。

少し落胆して降りる途中で撮った写真。
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ハネザイルの「Choo Choo TRAIN」全開である。

今日の弐号機。
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シート張替え後、はじめてシートカウルを装着してみた。
黒い部分が微妙にはみ出てしまっている。
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でも、全体で見ると悪くないね。
シート張替えは正解だったと思う。
そして、やっぱり弐号機にはシートカウルが似合うとあらためて思った。


浜岡砂丘のさくら情報はこちらからどうぞ。
↓     ↓     ↓     ↓
https://www.city.omaezaki.shizuoka.jp/shokan/kanko/kawadu_kaikajokyo.html

ファイア by ルブタン

待ちに待った「ファイア by ルブタン」が浜松にやってきた!
というわけで、シネマイーラさんに伺ってきた。
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告白すると、ファッションに疎い自分はルブタンを知らず、「ロボタン」の親戚くらいにしか思っていなかった。(恥ずかしいね。)

著名なシューズデザイナーであるクリスチャン・ルブタン氏は「クレイジー・ホース」のダンサーたちにインスパイアされて、ハイヒールのデザインを始めた。そのルブタン氏が遂に本家クレイジー・ホースの演出を手がけることになったのだ。
まさに宿命とも言える邂逅。
公演は80日間の限定で、再演されることはなく伝説となった。

以前、「クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち」というドキュメント映画で、ショーの一部を垣間見ることができた。(過去記事はこちら
その時、公演を是非観てみたいと思ったのだが、パリに行くことは叶わず、今も夢のままである。
それが、しかも幻と言われた公演が3Dの映画で観ることができるのである。何たる慶福!

映画はショーの合間にルブタン氏の解説とダンサーのモノローグが挟まれる。
3Dの効果はすごい!
まさにこれこそ3Dならではの表現だ。
ダンサーたちが絵画ではなく、彫刻のように立体的に動く。
この映画は2Dと3D上映があるが、絶対に3Dで鑑賞することをお勧めしたい。
内容は言葉では説明できない。見て、感じてもらうしかない。
究極の美がそこにある。
ダンサーのモノローグに次のようなものがあった。
「美しく見せるためなら何でもやるわ。それがクレイジー流なのよ。」

上映時間はわずか81分。
夢のように過ぎてしまった。

また見に行きたい。できれば何度でも見に行きたい。
ますます本物の公演を見に行きたいと思うようになった。
今からお小遣いをためて、死ぬまでにはパリに行くことにしよう。

★★★★★(映画中年 猫助)

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映画「ファイア by ルブタン」の公式サイトはこちら。
↓     ↓     ↓     ↓ 
http://fire.gaga.ne.jp/


【追記】
映画が始まったのに何だか変。3Dに見えない。
文字が二重に見える。
座る位置が悪いのかと思い、前に座ったり、後ろで見たり、あるいはメガネを逆さにかけてみたりと、いろんなことを試してみたが効果なし。
鑑賞中の方には本当に申し訳ないことをしました。
そのうち、3Dメガネをかけてもかけなくても同じ状態であることに気付いた。
劇場の人に伝えたら、「すみません。メガネが電池切れなのかもしれません。たまにこういうことがあるんです。」と言われ、メガネを交換してくれた。
たまにでもあっちゃ困るんですよ。そういうことは。
まあ、シネマイーラさんは良い映画を上映してくれる浜松では貴重な映画館なので、水に流しましょう。
もし、これから見に行く人で、3Dに見えなかったら、すぐに劇場の人に伝えましょう。メガネの故障かもしれません。-

ゆめのかよいじDVD到着

会社から帰ったら、DVD「ゆめのかよいじ」が届いていた。

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中はディスクのみというシンプルなもの。
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別に良いけど、もうちょっと、こう、何かあるでしょ?と思わなくもない。
本編の感想は過去記事を参照なさってください。

美しい映像と音楽、そして静かに流れていく物語。
宝物のような作品を繰返して観ることができるのは大変ありがたい。
劇場公開に行けなかった方は是非このチャンスにDVDで鑑賞してください。
特典映像は、Wヒロインのインタビュー、舞台挨拶の模様、予告編の三本立てだ。
特に貴重なのは、舞台挨拶の記録ではないだろうか。
大野安之先生がしゃべっている映像を拝見するのは初めてだった。
しかし、竹富聖花ちゃんの足の長さにはたまげたね。
この映画で、五藤利弘監督のファンになった。次回作がとても楽しみだ。
その前に、五藤監督の他の作品を観てみよう。

この映画に携わった全ての方に感謝を捧げます。
どうもありがとう。

映画の公式サイトはこちら。
http://yumenokayoiji.jp/



プロフィール

猫助

Author:猫助
ウナギの里、浜松市在住。
オートバイと猫とビールをこよなく愛するオッサン。
肺年齢は89歳。

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気づいたら結構つぶやいてたりします。よかったらフォローお願いします。
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