ブラフ・スーペリア

久しぶりの更新ですみません。
出張が続く仕事なので、蓄積した疲労がピークに達したみたい。
先は見えてきているので、もう少し頑張る。

ところで、前回の記事で「アラビアのロレンス」がイギリスのモーターサイクル、ブラフ・スーペリアを愛用していたと書いた。1922年から1935年に没するまで、ロレンスは生涯にわたってスーペリアを乗り継いでいる。



これは1929年ころの広告。ロレンス大佐がスーペリアのイメージになっている。

英国におけるかつての名門中の名門と言えるモーターサイクルの老舗ブラフ・スーペリアが世紀をまたいでバイクを復活させるという記事が飛び込んできた。
近年になってノートン・コマンドーが復活したが、インパクトではそれを上回るかもしれない。

「ブラフ・スーペリアが11月に新しいスーパーバイクをリリース」という記事が「TOPSPEED」というサイトに掲載されている。
オッサンの拙い翻訳で恐縮だが少し紹介してみたい。意訳・誤訳はご容赦願いたい。



ブラフ・スーペリアは有数の歴史を持つ企業で、1919年(大正8年!)にオートバイの製造を開始している。幸いなことに会社は現在に至るまで何とか生き残っており、同社は全く新しいVツインのスーパーバイクを発表すると明言した。

新しいオートバイは、強力な1200ccのVツインエンジンを持ち、2013年の11月にデビューを飾ることになる。このビッグ・ニュースは、ロサンゼルスのピーターソン自動車博物館において、ジェイ・レノ(*)が開催したプレスカンファレンスで、同社のCEO、マーク・アップハム氏が明らかにしたものだ。
 (*)アメリカのコメディアンで著名なカーマニア。

新しいバイクについてアップハム氏は将来にわたって単一モデルで発売されるものではないと語っており、フルラインアップでの販売が期待される。 「Vツインでモデルレンジをスタートさせますが、それで終わりではありません。今は最初の試作機を11月のミラノ・ショーで公開できるよう全力を尽くしているところです。それは、様々なモデルファミリーの最初の1台となる予定です。シリーズには2気筒以上のものも含まれます。しかし、ミラノ・ショーまで詳細を明らかにすることはできません。ただ言えるのは、どのバイクもユーザーの求めるスペックに応じてフルオーダーで製作されるということです。」

また、同社は来年のGPシリーズにも出場すると語っており、Moto2クラスにカーボン・ファイバー製のモノコック・シャシーを備えたマシンを出走させる。





Moto2マシンだって? これがそうか?
ちょっと期待できそう。
でも、記事を読む限り、市販車の値段もお高くなりそうな気がしますな。
かつて「モーターサイクル界のロールスロイス」と言われていただけに、それも仕方ないのかもしれないけど。

しかし、ブラフ社がいまだに生き残っていたと言う事実に何よりも驚愕した。
第二次大戦前につぶれたと思ってたのに。
ていうか、今まで何やってたんだよ!
出すなら早く出せっつーの。

11月のミラノ・ショーが楽しみだなあ。
行けないけど。

元記事はこちらです。
↓     ↓     ↓
http://www.topspeed.com/motorcycles/motorcycle-news/brough-superior-will-revealed-a-new-superbike-in-november-ar160261.html

アラビアのロレンス

実は、僕は学生時代にアラビア語を専攻した日本でも数少ない変わり者なのである。
高校生の頃は、典型的なモラトリアム世代で、人生の目的も将来の夢もなかった。
進学校だったので、何となく大学に行くのが既定路線のようになっていた。
ただ、周囲に流されながらもささやかな抵抗を試みたい気持ちもあり、普通の大学ではないところに行こうとした。
その決め手となったのが、映画「アラビアのロレンス」である。
当時、国語の先生に「尊敬する人物」を問われ、「ロレンス」と答えたところ、「お前、そんなませた本読んでるのか」と叱られた。
それは、「チャタレー夫人の恋人」を書いた、D.H.ロレンス。僕が言ったのは、考古学者にしてイギリス陸軍将校のT.E.ロレンスだ。とんだ濡れ衣である。
しかし、それほど僕はロレンス大佐に心酔していた。
東洋文庫から出ていた「知恵の七柱」ももちろん読んだ。(理解はできなかったが。)
アラブの世界はよく分からなかったが、映画で見たロレンスにとにかく憧れて、アラビア語を勉強しようと決意したのだ。



前置きが長くなったが、「アラビアのロレンス」は、言ってみれば僕の人生を決定づけた映画なのである。
それが、「新・午前十時の映画祭」で金曜日から上映が始まった。
お気に入りの映画を再び大画面で鑑賞できる喜びは大きい。
しかも画質が非常に良い。もともと65mmで撮影されているので画質は良いはずだが、エンドクレジットで、この映画が2回もレストアされていることが分かる。
永遠に残すべき一本なのだろう。

上映が始まる。暗いままの画面にモーリス・ジャールの壮大な音楽が響く。
これだけでテンションが上がる。
冒頭でブラフ社のモーターサイクル、スーペリアを走らせるロレンス。
突然の事故。そして葬儀。
記者が関係者にインタビューを行う。
果たして、T.E.ロレンスとはどのような人物だったのか。
英雄か稀代のペテン師か。

映画は休憩を挟んで二部構成になっている。
前半はロレンスの華々しい活躍と栄光を描く。
僅かのベドウィン兵士を引き連れ、横断は不可能と言われたネフド砂漠を行軍。
難攻不落の湾岸都市アカバを奇襲し、これを攻略する。
ここでのロレンスは強い意志で運命を自ら切り開く人物として描かれている。
砂漠で見失った兵士を連れ戻るシーンがある。
広大な砂漠に立ち上る陽炎。
地平線の彼方に豆粒のような影が現れ、それが次第に近づき、やがて部下を救出したロレンスだと分かる。
奇跡を目の当たりにし狂喜するベドウィン達。
映画史に残る名シーンである。

後半ではロレンスの苦悩と挫折が描かれる。
列車を爆破し、トルコ軍の補給路を断つロレンス。
しかし、ベドウィン兵士達には統制が無く、次々と戦線を離脱していく。
そして、デラアの町で偵察に出たロレンスはトルコ軍に捕らえられる。
トルコ軍の司令官に辱めを受けたロレンスは自分が奇跡を起こす人間ではなく、ただの普通の人間であることを悟り、イギリスへの転属を願い出る。
しかし、将軍に説得され、再びベドウィン兵士達を率いてダマスカス侵攻作戦に参加する。
ダマスカスを目前にして、ロレンス軍は敗走するトルコ軍に壊滅させられた村に入る。
そこでは女子供達が無残に殺されたいた。
敗走軍に追いつくロレンス軍。
ダマスカス攻略を優先するのか。あるいは復讐か。
ロレンスは敗残兵の殲滅を指示。砂漠は血で染まることになる。
新聞記者は戦慄する。「これが英雄なのか。」

結局アラブ軍はイギリス軍に先んじてダマスカスに入城。全ての施設を占拠する。
夕陽に輝く海岸でラクダに乗るロレンスの姿は一枚の絵画を見るように美しい。
ダマスカス占拠後、アラブ国民会議を組織し、アラブの独立を夢見るロレンスだが、部族同士の対立がそれを許さない。
大国の思惑も絡み、英雄であったロレンスは、今やイギリスからもアラブからも疎んじられる存在になっていた。
「砂漠には二度と戻らない」と言い残し、失意の内にロレンスは帰国する。
装甲車で帰路につくロレンス。彼に表情は無い。ベドウィンに遭遇したとき、思わず席から立ち上がる。
やがてベドウィンを追い越したロレンスは、再び座席に座り、前方を走るモーターサイクルをただじっと見つめていた。

4時間近い大作だが、冗長さは全くない。
ロレンスの人物像に焦点を当てた心理描写が見事だ。
「戦場にかける橋」や「ドクトル・ジバゴ」の巨匠、サー・デビッド・リーン監督の渾身の一作である。
何度も観ているが、その度に映画の力を感じさせてくれる。

手持ちの資料本から写真をいくつかご紹介する。
(全て「アラビアのロレンス」 J.M.ウィルソン著 山口圭三郎訳 新書館発行から撮影。既に廃刊)


アカバで撮影されたT.E.ロレンス(本物)


映画でロレンスを演じた名優、ピーター・オトゥール。
ロレンスと風貌が似ているからキャスティングされたと言われていたが、実際はそれほど似ていない。
背丈も実際のロレンスは170cm程しかなかったと言われる。


1919年に撮影された写真。こちらの方が少しは似ているかもしれない。


ブラフ社のジョージ・ブラフ氏と話すロレンス。1930年撮影。
ブラフ・スーペリアに乗っている。彼は生涯にわたりスーペリアを乗り継いだ。

アラブを愛し(と同時に憎み)、モーターサイクルを愛したロレンス大佐。
何となく自分に重ね合わせるのもおこがましいが、いつの間にか彼の享年46歳を過ぎてしまっていた。
大佐は「アラブの春」とその後の騒動を、天国からどのように見ているのだろうか。

ちなみに、僕は卒業してからアラビア語を使うことは一切無かった。
どういうことなの。





プロフィール

猫助

Author:猫助
ウナギの里、浜松市在住。
オートバイと猫とビールをこよなく愛するオッサン。
肺年齢は89歳。

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