タイピスト!

タフな一週間が終わった。
弐号機(M696)に乗ってリフレッシュしたいところだが、台風の影響で予報は雨。
仕方がないので他の方法を探す。
ちょうど今日は待望の映画「タイピスト!」の浜松公開初日だった。
これは行かない手はないね。

シネマイーラ」さんの受付で、「夫婦50歳割引でお願いします」と伝えると、係の女性は何のためらいもなく2000円の領収書をくれた。ちなみに僕は5月に50歳になったばかりで、いわば50歳代の初心者である。念のため女性に「年齢確認の証明は要りませんか?」と尋ねたところ、彼女は「口頭で結構です」と、笑顔で答えてくれた。
そうか、そんなに老けて見えるのか、自分。

僕が何故この映画を楽しみにしていたのかというと、このポスター。



とてもお洒落でしょ。
一目で気に入ってしまった。
実際の映画もとてもお洒落なものだった。
タイトルロールから音楽、セット、小物にいたるまで、徹底的に1950年代のフランスを再現しようとしている。
少しあらすじを書いてみよう。

フランスはノルマンディー地方の田舎にある雑貨屋の娘、ローズは花形職業である秘書を目指して保険会社の面接を受ける。
タイプの速さを買われて一週間の期限付きで採用となるが、秘書としては「無能」であえなくクビを宣告される。
しかし、上司のルイはローズのタイプの速さに目を付け、タイピングの早打ち競技会に出場することを条件に雇用を約束する。
ここでルイは親友と予選突破で賭をする。
しかし、一本指で打つローズは予選で敗退。
これで終わりかと思われたが、ルイが直々にローズの指導に乗り出す。
目指すは予選突破、ではなく、世界大会での優勝!
まずは10本の指でタイプをすることから始め、厳しい訓練が続いていく。
予選を突破、そしてフランス大会へ・・・

こう書くと、何となく「マイ・フェア・レディー」を想起させる。くだんの映画はスリッパを探してもらうところで終幕となるが、この映画にはもう一ひねりある。やはり現代のフランス映画なのである。

まず、これが実話を基にしていることに驚かされる。タイプの早打ち選手権ってのがあったんだ。
タイプライターをカチャカチャ叩いてて盛り上がるのかと思うでしょ?
ところが、これが凄い!
まさに格闘技の盛り上がり。
思わず手に汗握ってしまう。
そして、ラストのセリフが秀逸。
これぞ、フレンチ・エンターテイメント!

今年観た映画の中で一番面白かったよ。
超オススメです。

蛇足だが、タイトルロールでミュウ・ミュウの名前を見つけた。
ミュウ・ミュウと言えば、「夜よ、さようなら」で窓ガラスに自ら頭を打ち付けるシーンが強烈に焼き付いている。
どこに出ているのかと思ったら、意外なところで出てきた。
相変わらずきれいだが、やはり風貌には相応の年齢が積み重ねられていた。
どうりで僕も老けるわけだ。

★★★★★ (映画中年 猫助)







公式サイトはこちら。
↓     ↓     ↓
http://typist.gaga.ne.jp/

白夜

浜松の良心である「シネマe~ra」さんで今日から「白夜」が上映されるというので観に行ってきた。



「世界の映画作家達に絶大なる影響を与え続けているフランスの巨匠ロベール・ブレッソン(1901-99)」の幻の逸品だと。
それが35mmのニュープリントで見ることができるというのだから、見ておいて損はないだろう。
僕はこの映画を観るのはもちろん初めてだし、そもそもブレッソンの映画は1本も観たことがない。
それほど偉大な監督の映画ってどうなの?
すごく興味があるよね。

大まかな筋はドストエフスキーによる短編小説の通りだが、舞台をパリに移したことで細かい設定は変えられている。
映画が始まってしばらく、何か嫌な予感がした。
これって、厨二病をこじらせた痛い青年とヤンデレ女の退屈な話なんじゃないか、と。
しかし、すぐに自分の予感ははずれたことに気づく。
いつの間にか画面に釘付けになっているのだ。
男と女が出会って別れる、たった4夜の短いお話。
その中に様々なエピソードが詰め込まれ、男女の心の機微を描いていく。
また、映像が素晴らしい。
夜のシーンはいわゆる「アメリカの夜」ではなく、生のパリの夜景が映し出されている。
セーヌ川に浮かぶボートの灯りがポンヌフを照らす美しさが印象に残る。
マルトを演じるイザベル・ヴェンガルテンが若い美しさを惜しげもなく晒している。
感情を盛り上げるような、いわゆる映画音楽はなく、ミュージシャンが背景として歌を歌うのだが、この音楽も良くできている。
たった83分の短い映画だが、中身は濃い。
結局これは、「純粋で無垢(pur et innocent)な愛」の物語なんだろうね。

ただ一つ、ジャックがテープレコーダーに痛いポエムを吹き込む行為。これが何のメタファーなのかは僕には分からない。

大人のための映画です。

★★★★ (映画中年 猫助)

「白夜」の公式サイトはこちらです。
↓     ↓     ↓
リンク切れです。










猫の町

村上春樹さんの長編小説「1Q84」のBOOK2、163ページに「猫の町」という短編小説のエピソードが書かれている。

旅好きの青年が列車にのって訪れた町は、人の住まない猫の町だった。
夜になると猫たちはいずこともなく現れて、店を開き、買い物をし、居酒屋で酒を飲む。
朝になるとシャッターを閉めて猫たちはいなくなる。
好奇心に駆られて身を潜め町に滞在していた青年。
三日目に猫たちが人間の存在に気づく。
青年を捜す猫たち。
何とか見つけられずに済んだが、身の危険を感じた青年は町を出ようと駅に向かう。
しかし、列車はもはやその駅に停車することはなかった…。
青年はそこが猫の町ではなく、”自分が失われるべき場所”だと気づく。

ごく短い挿話だが、物語の中で重要な役割を持つ話だ。

小説を読んでから「猫の町」が気になって、どんなところなのか想像していた。
ある時、ネットで、「あ、ここ猫の町だ」と思わせる写真を見つけた。
撮影者の方が分からないので無断で掲載させていただく。







詳しいことは失念したが、クロアチアあたりで撮影されたらしい。
とても雰囲気のある写真だと思う。
昼間身を潜め、夜になると活動を始める猫たち。
まさに「猫の町」ではないか。

今朝、たまたまNHKのBSプレミアムで放送されていた、「岩合光昭の世界ネコ歩き」という番組を見た。
動物写真家として有名な岩合光昭さんが世界各国で猫を撮影する、猫が主役の、猫好きにはたまらない番組だ。
今日は瀬戸内海の静かな島に生きる猫たちが紹介されていた。
画面に映るのは猫だけ。人はいない。
ここもやはり「猫の町」なんだと思った。
もう少し歳をとったら、こんな静かな町で猫たちに囲まれて暮らすのも悪くないな。
ふと、そんなことを思った。

バイクに乗れないのは困るがね。



番組のホームページはこちら。
↓     ↓     ↓
http://www4.nhk.or.jp/nekoaruki/

猫好きの方は是非!

ローマの休日

新・午前十時の映画祭」で「ローマの休日」の上映が始まったので観に行ってきた。



オードリー・ヘプバーンを一躍世界のトップスターにした代表作だ。
もう何回も観ているし、超有名な映画なので、あらためて語ることもない。
良い映画は何度観ても良いものだ。
名画を再び大きなスクリーンで見ることができるこの企画はとても良いね。

見たことのない人のために物語を追って紹介するよ。

欧州某国のアン王女(オードリー・ヘプバーン)はヨーロッパ諸国を歴訪中。
各国で盛大な歓迎を受ける。

今日はローマに到着。
しかし、過密スケジュールでストレスはマックス状態。

侍医に鎮静剤を打たれたものの、外の楽しげな様子が気になって仕方がない。

配送車に紛れて脱出に成功。
しかし、薬が効いてきたため酩酊状態。
そこにアメリカ人の新聞記者、ジョー・ブラドリー(グレゴリー・ペック)が通りかかる。

何とか家に送ろうとするが、アン王女は全く反応無し。仕方なく、自分のアパルトメントに連れてくる。
翌朝、出勤したブラドリーはアン王女が急病で全スケジュールをキャンセルしたことを知る。
ちょっと待て。なんか見たことある。

やべっ、こいつアン王女じゃん。
大スクープのチャンス!
親友でカメラマンのアービングを呼び出し、決定的瞬間を捉えようと考える。
アン王女は自分をアーニャと名乗り、ブラドリーに礼を告げて別れる。
初めてローマの街に一人で歩き出す王女。

ウエスト細いよー。
美容室に目がとまった王女に、あるひらめきが浮かぶ。

「髪の毛切ってください。」
「これくらい?」
「もっと。」

「じゃ、これくらいで?」
「いや、もっと!」
「マジ?」
「マジで。」

ジャジャーン。めちゃ可愛い。
美容師、「今夜、サンタンジェロ城でダンスパーティーがあるんです。是非お越しください。」
「ごめんなさい。行けませんわ。」

スペイン広場でジェラートを食べる王女。
そこに偶然を装ってブラドリーが声を掛ける。

「あら、ブラドリーさん」
「偶然ですね。今日一日お付き合いしていただけますか?ローマの街を案内しますよ。」

合意成立。

ベスパに乗って、ローマの街を走る二人。
もちろん、アービングが写真を撮っている。

王女暴走。

警察のお世話になる。
ウソをついて何とか無罪放免となる。
有名な「真実の口」のシーン。

警察でウソをついたから、ドキドキ・・・

夜になり、サンタンジェロのダンスパーティーに行く。

もう良い感じの二人。

その時、アン王女を発見した某国の秘密警察が王女を無理矢理連れ戻そうとする。
「助けて、ブラドリーさん!」
王女を取り返そうとするブラドリー。
そこにアービング、美容師も加勢して大乱闘が始まる。

王女の一撃!

その場を脱出した二人。
しかし、別れの時は近づいていた。
お互いの気持ちを隠すことは最早できない。

「私がどこへ帰るか見ないでください。決して。」

翌日、アン王女が奇跡的に回復し、会見を行うことなる。

アーニャは今はアン王女。

思わぬところでブラドリーらに再会して驚く王女。

スクープ記事は?写真はどうなる?
そこは、是非映画館でご確認を。

オードリー・ヘプバーンが当時どれほどのインパクトを与えたかということは容易に想像できる。
彼女を見た全ての人が、彼女を「妖精」と呼んだ。

いや、マジ妖精ですわ。





冒険者たち

「冒険者たち」という映画については以前記事にしたことがある。(過去記事参照)
一番好きな映画は何かと問われるとずいぶん迷うのだが、「冒険者たち」が最上位に入ることは間違いない。
TOHOシネマズでは、「新・午前十時の映画祭」という企画をやっていて、現在浜松ではこの映画が上映されている。
たまたまネットでそのことを知り、いてもたってもいられなくなり劇場に足を運んだ。

冒頭、天才フランソワ・ド・ルーベの音楽と共にレティシア(ジョアンナ・シムカス)のクローズアップが映し出される。

ここで既に胸がいっぱい。
この映像、音楽。唯一無二の存在だ。
芸術家の卵レティシアは自動車産業の革命を目指すローラン(リノ・ヴァンチュラ)と知り合い、ローランの親友で腕っこきのパイロット、マヌー(アラン・ドロン)とも知己となる。


マヌーの乗るR69。かっけー。


レティシアはモペットで登場。まっこと可愛い。


ローランがやたら渋い。

マヌーはパイロットの免許を剥奪され、ローランの自動車は炎上する。

レティシアの個展は酷評され、3人それぞれの夢は潰えたかに見えた。
しかし、あるきっかけで知った話を基に、3人は新たな夢を求め、アフリカのコンゴへ向けて冒険に旅立った。


輝く海に若さがはじける。
若さとは年齢の事ではなく、挫折しても夢を追い求め続ける魂の姿だ。
この映画が永遠の青春映画として語り継がれる理由がそこにある。


レティシアがとにかく美しい。


映画史に残る名シーン。
何の場面かを書くとネタバレになるので、実際に映画を観てご確認を。


映画終盤のマヌー。
クールとはこういうことを言うのだ。

一期一会と言うけれど、脚本、監督、撮影、音楽、俳優、等々が全て最高の輝きを放つ奇跡の一本ではないか。
フィルムはその瞬間を永遠に焼き付けて、僕たちをいつまでも魅了し続けてくれる。
いやぁ~、映画ってホントにいいもんですねぇ。(by 水野晴男)



プロフィール

猫助

Author:猫助
ウナギの里、浜松市在住。
オートバイと猫とビールをこよなく愛するオッサン。
肺年齢は89歳。

カウンター
twitter
気づいたら結構つぶやいてたりします。よかったらフォローお願いします。
カレンダー
07 | 2013/08 | 09
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
お買い物をどうぞ
雑誌でも読むか