ゴースト・イン・ザ・シェル

スカーレット・ヨハンソンが、「少佐」草薙素子を演じた「ゴースト・イン・ザ・シェル」を観に行ってきた。
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前評判がどうであれ、この作品は見ておかねばならない。

士郎正宗の原作が出版されたのは1991年。
押井守監督の映画が公開されたのが1995年。
僕が初めてマッキントッシュを買ったのは1992年か3年で、当時のネットはクローズされた世界で行われるパソコン通信が主流であり、インターネットは一般のユーザーにやっと普及し始めたばかりだった。
その時代にこれを描いた士郎正宗はまさに天才であり、押井守監督の映画版は今でも色あせないSF映画の金字塔である。
以降は押井守版を基に話を進める。ややネタバレ的な箇所もあるので、未見の方はご注意願いたい。

映画「攻殻機動隊」のラストで少佐が言った台詞は時代を超えた現代になって、ようやく万人が理解できるものとなった。
従って、今、「ゴースト・イン・ザ・シェル」が同じものを扱っても目新しさは感じない。しかし、AI(人工知能)が急速に進化しつつある今だからこそ、「人形使い」がさらにリアルな不気味さを醸し出しているのである。そこをスルーして、一般的なハリウッド調ストーリーにしてしまったことが本作の最大の弱点といえる。なぜアメリカの人は悪役を仕立てて責任をとらせないと気が済まないのだろうか。
草薙素子は全身義体だから、スカーレット・ヨハンソンの外観でも何ら不思議ではないと思うのだが、物語全体が、スカーレット・ヨハンソンが草薙素子を演じるための言い訳のように感じてしまう。そのために「少佐」は苦悩する。その点が「攻殻機動隊」ファンには納得できないのである。「少佐」はもっとクールで強い女性なのだ。つじつま合わせのために肝心の「少佐」のキャラクターが失われてしまっている。それに伴ってアクションも慎ましやかになっている。全身義体の少佐が手錠ごときに動きを制限されてはいけない。ホンダ製(!)のバイクに乗っているが、「マトリクス」におけるトリニティーのような派手さがまるでがない。
全体的に、「攻殻機動隊」の印象的なシーンをそのまま実写で再現し、つなぎ合わせただけと言えなくもない。音楽も含めて、「攻殻機動隊」へのリスペクトを強く感じ、「攻殻機動隊」のイメージを損なわないように徹底している。そこは嬉しい反面、残念な点でもある。もう少しハリウッドらしく、少佐が派手に活躍してくれれば良かったのに。
そのあたりも含めて、「攻殻機動隊」ファンの人は一度見ておきましょう。

★★★(映画中年 猫助)

公式サイトはこちら。
http://ghostshell.jp/

ちなみに、「甲殻機動隊」と間違える人がいるが、アレルギーの原因になるので注意しましょう。
「攻殻」はこう書く。

これは必見。

おかしな2.0ではなく、オリジナル版です。

この世界の片隅に

今年は邦画の当たり年なんだろうか。
「シン・ゴジラ」や「君の名は。」が社会的現象ともいえるブームを呼んだ。
「君の名は。」が新海誠監督の最高傑作であることに異論はないが、アニメ作品でもう一本、ぜひ見ていただきたい映画がある。

それは、のんちゃんが声優を務めたことで話題になった、「この世界の片隅に」だ。
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戦中を生きた北條すずさんの物語だが、すずさんのキャラクターも相まって、きわめて静かに、時にユーモアを交えて日常風景が描かれていく。
悲惨な戦争という、他人事のような決まり文句を押し付けるのではなく、戦争の中でも人は生き、食べ、笑い、恋をすることが実に丁寧に表現される。しかし、そこには抗うことのできない歴史の波があり、その時代に生きた人々はかけがえのないものを失ってしまうのだ。それが普通の市民であるすずさんの人生を追体験することで、我々の心に深く入り込んでくる。
カタルシスを求めるような映画ではないが、観終わった後に深い余韻が残る素晴らしい作品だった。
これは、すずさんの声を演じたのんちゃんの功績も大きいのではないだろうか。
のんちゃんの演技力とキャラクターがすずさんにぴったりとはまっていて、自然とすずさんに感情移入してしまう。
業界の慣習だか何だか知らないが、それに乗っかるマスコミも含めて、考えを改めてほしい。
我々はのんちゃんを欲しているのだ。
それに応えない業界は最大のステークホルダーである我々市民を裏切っているのである。
という、少し過激な考えすら頭によぎるほどの出来栄えでした。
ぜひ劇場に足をお運びくださいませ。

★★★★★(映画中年 猫助)
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公式サイトはこちらです。
http://konosekai.jp/

「白夜」ふたたび

私の手元に1枚のブルーレイディスクがあります。

ロベール・ブレッソン監督の「白夜」。
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自分は3年前にこの映画を観ました。
感想などはこちらをご覧ください。

このディスクの発売元である「エタンチェ」という会社。
聞くところによりますと、映画の関連会社に勤めていた方が、この映画をディスク化するために各方面を奔走し、一人で会社を立ち上げ、ついに発売にこぎつけたとのことです。
何という執念でしょう。
いえ、この場合は映画愛というべきでしょう。
世界中でメディア化された「白夜」はこれ一枚だけなのです。
それだけのことをしても残すべき作品ということなのでしょう。
巨匠による幻の逸品なわけですから、これを世に出したエタンチェさんの功績は多くの映画ファンから称えられることでしょう。
おかげで私も再度鑑賞することができました。
フィルムの質感たっぷりの美しい映像が堪能できます。
見逃した方、ぜひ「エタンチェ」さんからご購入なさってくださいませ。


シン・ゴジラ

庵野秀明監督の大作、「シン・ゴジラ」を鑑賞してきた。

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映画製作が発表された時、多くの人が「何故、今、庵野監督がゴジラを作る?エヴァはどうした」と思ったに違いない。自分もその一人だった。正直、嫌な予感しかしなかった。

しかし、映画の内容が次第に明らかにされ、予告編が公開されると、期待が一気に高まった。

大体このような場合、期待が裏切られることが多いのだが、今作に限っては逆の意味で大きく裏切られてしまった。

期待を遥かに上回る出来だったのだ。


映画の惹句が「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)。」

映画を見て腑に落ちた。

ゴジラという虚構をぶちかますことで日本の現実が白日の下に晒されていく。

過去の歴史が生み出したゴジラが現在の世界を終わらせようとする。

この映画では昭和のお子様向けゴジラはもちろん、平成ゴジラやハリウッド版ゴジラが描けなかった「恐怖」が見事に演出されている。

また、ゴジラという虚構に生命を与えるためリアリズムに徹した描写が細部にまでいきわたっている。この映画にはヒーローや空中に浮遊するスーパーウェポンは登場しない。人が作った虚構であり現実である恐怖(ゴジラ)を人が自らの手で終わらせようとあらゆる知恵を結集していくのだ。

テンポの良いストーリーとアクションで2時間があっという間に過ぎてしまった。


庵野監督、お見事です。

「シン・ゴジラ」は庵野監督でなければ作れなかったでしょう。


心から賞賛の拍手を送りたい。

また劇場に足を運ばねば。


★★★★★(映画中年 猫助)


公式サイトはこちら。

http://shin-godzilla.jp/


あ、でも綾波はちゃんと返してくださいね。





仮面ライダー1号

思えば、藤岡弘、さんは自分にとって神様みたいな存在であって、このオッサンの人生にとてつもなく大きな影響を与えてくれた。
「仮面ライダー」が放映されたのは小学2年生の時だった。僕はたちまち夢中になって、ソフビ人形を買い、ライダースナックを買って、ライダーカード収集に没頭した。
その翌年に「ワイルド7」のテレビ版が放映され、オートバイの魅力に取り憑かれたオッサンは、50を超えた今もオートバイに乗り続けているのである。

藤岡弘、さんが主演なさっている映画「仮面ライダー1号」公開された。
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最初のライダーとして誕生した仮面ライダー1号こと本郷猛が、おやっさん(立花藤兵衛)の孫娘に会うため日本に帰って来るという設定だけで泣けてしまう。
本郷猛は45年間、世界各地で正義のために闘い続けていたのである。
あの本郷猛が今も闘っているのである。
オッサン号泣である。
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藤岡弘、さんそのものが本郷猛であり、劇中で語られる言葉は藤岡弘、さんの言葉でもある。
それは、俳優であり、武道家であり、世界の紛争地等を巡ってきた藤岡弘、さんだからこそ語れる言葉なのである。
命とは何か。命が何故大切なのか。誰もが分かったつもりになっていることをあらためて問われると、言葉に詰まる。
それを藤岡弘、さん(あるいは本郷猛)が己の生き方を通して若者に語りかけてくれている。
藤岡さんがお子さんを連れて見に来てほしいとおっしゃった理由が良く分かる。

45年間闘い続けた男の姿は美しかった。
やっぱり、自分にとって藤岡弘、さんは神様みたいな存在なのである。
是非お子さんと一緒にご覧ください。



藤岡弘、オフィシャルサイト
http://www.samurai-hiroshi.com/index.html

「仮面ライダー1号」公式サイト
http://www.superhero-movie.com/
プロフィール

猫助

Author:猫助
ウナギの里、浜松市在住。
オートバイと猫とビールをこよなく愛するオッサン。
肺年齢は89歳。

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